矯正治療中に妊娠や出産をしても問題ない?
矯正期間は一定期間治療期間がかかるので、その間にライフスタイルが変化することもあります。
矯正期間中に妊娠・出産される場合も治療を継続できます。
ただ、妊娠中はいくつか注意する点がありますので、その上で考えていただきたいです。
今回は矯正治療中に妊娠や出産をしても問題ないかについて詳しくご紹介します。
【大人の矯正は20~30代が多い】
歯並びの関心が高くなっていくなかで、大人の矯正治療をする方が増えています。
とくに20~30代の女性が多くをしめていて、この年代は結婚や妊娠・出産のイベントを迎える方が多く、結婚式のタイミングで矯正治療をしたいという方も多いです。
結婚式に向けて矯正治療を開始してその後に妊娠するケースもあります。
妊娠・出産をしても矯正治療は継続することができますが、気を付けたいポイントがあり
・念のため、レントゲン撮影を控える
・体調に考慮して負担がないようにする
・飲み薬は控える
ことに気をつけています。
また、妊娠中はホルモンバランスが急激に変化するので体調の変化があり特に妊娠初期には『つわり』で歯磨きもつらい方も少なくありません。
通常の矯正治療は1カ月に1回程度の通院ですが、体調に考慮して2~3カ月程度の通院でもいいように工夫をしています。
また、出産直後は体調の変化もありますし、赤ちゃんとの生活に慣れるまで外出も大変なので、その期間2~3カ月お休みにするケースもあります。
妊娠中の体調の変化にできるだけ合わせてむりのない治療をおこなっています。
【妊娠してから矯正治療を行いたい場合】
妊娠をしてから矯正治療を行いたい場合ですが、矯正治療をスタートする時には精密検査が大切でレントゲン撮影が必要になってきます。
歯科用レントゲンや頭部のCT撮影でとくにデジタル化されたレントゲンは、被ばく量がかなり抑えられていて1回の撮影ではおなかの赤ちゃんに影響はないといわれています。
ただ、妊娠中のレントゲンは緊急の時以外撮影をできるだけ控えたいため、妊娠されている方のCT撮影は行わないことが多いでしょう。
また、歯並びの状態によってはスペースを確保する必要があり『抜歯』が必要な場合もあり麻酔が必要です。
妊娠中は麻酔も使用しますし、抜歯などの外科処置は、妊娠中控えた方が良いので、妊娠してからの矯正治療の開始の時期は延期していただくことを提案しています。
【妊娠中はお口の中も変化します】
妊娠中はホルモンバランスも変わり、歯周病や虫歯などの細菌が増殖しやすくなり歯周病や虫歯のリスクが高くなります。
また、歯ぐきが腫れやすく妊娠性の歯肉炎になることもあります。
矯正期間中は装置に汚れが着きやすいこともあり、より念入りなケアが必要なのですが、つわりで歯磨きも気持ち悪くなることがあります。
このようなことから矯正の開始時期を患者様とお話して無理の無い時期からのスタートをおすすめしています。
【妊娠中のお口のケアについて】
妊娠中は体調に合わせてむりなくケアを行っていくことが大切ですが、妊娠中は細菌が増殖しやすくリスクが高い環境です。
少し工夫することで楽になることもあるので、つわりがひどい時には歯ブラシのヘッドを小さめのものに変えていただくこともおすすめしています。
また、歯磨き粉は泡だちにくい低発砲のものを使用しましょう。
そのほかにはキシリトールには虫歯になりにくい成分が含まれているので、ガムがかめそうであれば取り入れると良いでしょう。
妊娠中はデリケートな時期なので、妊娠してからの矯正治療開始は少し時期を検討して頂くことがあります。
妊娠中も患者様の体調に考慮しながら、継続して矯正治療を行うことができますのでご安心ください。