歯列の後戻りが心配なのですが…
矯正治療をしたあとに少しずつ歯並びが戻ってしまうことを『後戻り』といいます。
後戻りしないためにいくつかポイントを抑えていただくと後戻りを予防できます。
そこで今回は後戻りの原因と後戻りしないためにすることをご紹介します。
【歯並びが悪くなるくせ】
歯並びが整っても、歯並びが悪くなるくせが残っていると少しずつ歯並びが変わって後戻りの原因になります。
そのため、歯ならびが悪くなるくせはすぐに改善しましょう。
・口呼吸
呼吸は通常は鼻で呼吸することが望ましいのですが、口呼吸は日常的に口で呼吸をして
いる状態です。
口で呼吸をしているといつも口が開いていて口の周りの筋肉が衰えてしまい、唇で歯を
抑える筋力が衰えてしまいます。
口をしっかりと閉じることで歯並びはバランスを保っているので、いつも口が開いてい
ると歯並びが悪くなる原因になります。
・唇をかむくせ
日常的に唇をかむ『くせ』があると歯が押されてしまい、歯並びが悪くなる原因になりま
す。
・指しゃぶり
指しゃぶりは3歳までは歯並びに影響がないといわれていますが、3歳以上になって日
常的に指しゃぶりをしていると歯が前に押されて出っ歯になりやすいといわれています。
年齢が上がってくるとともにやめにくくなる傾向にあるので、少しずつやめるようにし
ていきましょう。
・頬杖
学校や職場で無意識に頬つえをしていると横からの力がかかって歯並びに影響を与えるといわれています。
日常的に行っているとそれほど強い力ではなくても歯並びが悪くなってきます。
できるだけ早めに頬杖のくせは改善しましょう。
・横向き寝・うつぶせ寝
寝ている時の姿勢も歯並びに影響を与えることがあり、特に横向き寝やうつぶせ寝も歯並びを悪くする原因になるので気をつけましょう。
【後戻りを防止するリテーナー】
矯正治療が終わったばかりの時はまだあごの骨にしっかり定着していないので歯が動きや
すく後戻りしやすい環境です。
その時に歯を動かないようにする保定装置のリテーナーを使用して、歯並びを安定させて
整った歯並びを維持します。
この矯正治療が終わったばかりの時にリテーナーの装着をさぼることで後戻りすることが
多いです。
逆に言えば、リテーナーをしっかり装着していると後戻りを防ぐことができます。
【リテーナーの種類】
リテーナーはいくつか種類がありますが、取り外しができるものと固定式のものがありま
す。
取り外しができるものはマウスピース型やプラスチックのプレートにワイヤーが着いてい
るタイプがあります。
どちらのタイプも決められた時間マウスピースを装着します。
取り外しができるので、食事や歯磨きは普段通り行うことができます。
リテーナーは矯正治療中と違い、歯を動かす必要がないので、痛みがでることはありません。
リテーナーをして痛みが出た時には歯並びが動いてしまっている可能性があるので、早め
に歯科医院を受診しましょう。
固定式のタイプは細い針金を歯の裏側につけて維持します。
維持する力は高いのですが、取り外しができないため、装置に汚れが着いてしまうことがあ
り、日頃の歯磨きのケアと定期的な検診でクリーニングをすることが大切です。
リテーナーを装着する時間は、骨が定着するまでの期間は食事以外の時間装着
していただくことが多いです。
歯並びが安定したら寝ている時だけなど時間を減らして使用していきます。
矯正期間中の後戻りは歯並びを悪くするくせが改善できていないと後戻りして
しまうことがあるのでまずはくせを改善しましょう。
また、後戻りを防止するリテーナーをさぼってしまうと歯が動いてしまうので
決められた時間しっかりリテーナーを装着しましょう。
歯並びが悪くなるくせを改善してリテーナーをきちんと装着することで整った
歯並びを維持できます。