口腔筋機能療法とは?
歯並びは日常のくせが原因で悪くなることがあります。
さまざまなくせを改善するために、正しい飲み込み方や舌の位置を覚えるためのトレーニングがあり『口腔筋機能療法』といいます。
そこで今回は口腔筋機能療法について詳しくご紹介します。
【口腔筋機能療法とは】
MFT(口腔筋機能療法)とは正しい舌の動きを確認して、口周りの筋肉をトレーニングし
て正しく動くようにすることです。
食べることや飲むこと、発音、呼吸などの改善を目的にしてお口の周囲の筋肉のバランス
を整える治療法です。
口腔筋機能療法だけである程度歯並びが改善することがありますし、矯正治療にプラス
して口腔筋機能療法を行って口周りの筋肉を鍛える必要がある場合もあります。
【スポット・ポジション】
普段何もしていない時や飲み込む時に舌をどの位置に置いておくと良いか確認します。
この正しい位置を『スポット』と呼びます。
姿勢を伸ばして鏡を見ながら行いましょう。
- まずスティックで上あごのぽこっとした部分を触り、ゆっくり5秒数えます。
- 次にスティックを離して、舌の先で同じ部分を触りゆっくり5秒数えます。
スポットポジションをしている時は舌を丸めずに尖らせましょう。
1と2を交互に5回ずつ行いましょう。
【ポッピング】
舌の筋力を鍛えるトレーニングです。
舌を持ち上げる練習をしていきます。
- 舌を上あごにつけて吸いつけて、大きく口を開けて舌の裏の筋(舌小帯)をのばします。
- 舌で上あごをはじくようにして、ポンと音が出るようにする。
舌がしっかりついていないと軽い音がしてしまうのでその場合は舌をしっかり吸い付けるようにしましょう。
あまり早くやりすぎるとよくないので、5秒に1回程度20回行うようにしましょう。
【スラープ&スワロー】
正しい飲み込み方を覚えるためのトレーニングです。
舌をスポットにつけながら飲み込むことと、水を飲む時には舌の脇を使って水を集めま
す。
- 舌の先をスポットにつけて舌全体を上あごにつけて奥歯をかみ合わせます。
- 口の横から水を吹きかけて音を立てて吸い込みます。
- 後ろに水を集めたら奥歯をかんだまま水を飲みこみます。
【リップトレーサー】
舌の筋力アップのトレーニングです。
- 舌を尖らせて口角から上唇から下唇をゆっくりなぞります。(20秒程度かける)
- 反対周りでも行う。
【口腔筋機能療法の流れとは】
STEP1 矯正審査や診断が終わったあとお口の周りの筋肉の検査をしていきます。
STEP2 診断
治療計画を立ててどのようなトレーニングをするか説明します。
STEP3 通院
自宅でトレーニングを行っていただき、トレーニングの仕方を確認したり、疑
問点を解消してもらいます。
また、口の周りの筋肉も確認していきます。
STEP4 繰り返しトレーニングを行う
課題を繰り返し行います。
通院時に新しいトレーニングに変わることもあります。
【口の周りの筋肉が弱いことで起きること】
食べ物を飲み込む時に口の周りの筋肉が弱いと飲み込みにくく、食べ物が食べにくいで
す。
また、話をする時に滑舌が悪くなり、発音が聞きにくくなることがあります。
そのほかには、口がぽかんと開きやすくなり口呼吸になりやすくなります。
口呼吸になることでお口の中が乾燥しやすくなり、細菌が増殖して虫歯や歯周病のリス
クが高くなります。
口腔筋機能療法はお口のくせを改善して正しい舌の位置と飲み込み方ができるようにな
り、筋力がアップすることで口呼吸などの悪習癖も改善できます。
くせはすぐに改善することが難しく半年から長ければ2年程度の期間を見ていただいて
います。
口腔筋機能療法を取り入れることで矯正治療をスムーズ行うことができます。
ご自宅で気軽にできるトレーニングなので、ぜひ取り入れてみてくださいね。